ヒトや動物から記録された脳波や誘発反応などを基に、難治てんかんや発達障害などの病態解明やよりよい治療方法の確立を目指す研究や認知機能の研究を行っています。
脳波や誘発反応は生態信号ですので、その分析には音声処理などと同様のデジタル信号処理技術を用いています。また、よりよい解析方法の発見のため、MATLAB®等を用いた独自のデジタル信号処理・解析プログラムの開発も行っています。
高周波解析
脳波や誘発反応には肉眼では見えないよう非常に周波数の高い活動(高周波)が含まれています。高周波は認知活動にかかわっており、外界の認識や記憶の形成などに深くかかわっています。また、てんかん患者の脳では、てんかん焦点における異常高周波活動の存在が確認されています。
これらの高周波活動を見つけ出して解析することにより、ヒトの認知過程を明らかにしたり、てんかん焦点のより正確な決定したりできる可能性があります。そのため、高周波活動を自動検出する技術、検出した高周波をカラー画像で可視化する技術を開発しています。また、けいれんのモデル動物での高周波解析を行い、てんかんの発症メカニズムを明らかにする研究を行っています。
頭蓋内脳波を用いた、てんかん発作時の異常高周波活動の可視化技術
てんかん外科の手術戦略の決定に役立つ可能性がある。
熱性けいれんモデルラット(Scn1a変異)での脳波の高周波解析
(フィルタリングとGabor変換によるスペクトログラム表示、解析は独自開発のプログラムによる)
頭蓋内脳波におけるてんかん性異常高周波活動の自動検出と可視化技術
てんかん外科の手術方針の決定に有用な可能性がある。
てんかん発作の検出補助技術の開発
てんかん発作では、明らかな発作症状が目に見えない場合があります非けいれん性発作)。集中治療の場では非けいれん性発作はわりと多く、これを見つけるために長時間(最低24時間)の脳波記録が注目を浴びています。しかし、専門医以外による発作の検出には課題が多いのが現状です。このため、誰にも分かりやすい発作検出の補助技術の開発を行い、臨床応用に向けているところです。
また、最近は、広島大学生体システム論研究室との共同研究も始めており、脳波の新たな統計学的モデリングの提案(広島大学と岡山大学との共同特許出願済)と、これを用いたてんかん発作の自動検出の応用研究を行っています。




