Priority-i 研究概要
重症新生児に対する迅速なゲノム診断の医療実装に関する研究開発(2024年度~2026年度)
重症新生児は、急速に重篤化する可能性もあるため診断と治療をできるだけ迅速に行う必要があります。
一方で、新生児期には疾患特異的な徴候が乏しく、臨床診断は必ずしも容易ではありません。
遺伝学的原因が疑われる場合でも、従来のGバンド検査の診断率は3〜4%、マイクロアレイでは10〜20%に留まっていました。
「重症新生児に対する迅速なゲノム診断の医療実装に関する研究開発(Priority-i)」では、診断までの期間を短縮し、次世代シーケンサーによる遺伝子解析を用いてさらに高い診断率を目指します。
次世代シーケンサーによる最新の網羅的遺伝子解析やオミックス解析に加えて、遠隔カウンセリングシステムを活用して、重症新生児の迅速な診断のための全国ネットワークを構築し、迅速かつ精緻な遺伝学的診断を行います。
Priority-iプロジェクトにより、重症新生児の迅速な診断を提供し、ベッドサイドに還元することで予後の改善を目指します。
研究の目的
1.迅速かつ精緻な遺伝学的診断
本研究では、新生児集中治療室に入室し、遺伝的原因をもつと考えられる新生児に対して最新の網羅的遺伝子解析やオミックス解析を組み合わせることで、迅速かつ精緻な遺伝学的診断を行うことを目指します。
2.新生児の後遺症なき生存率の改善と、個別化医療の実現
診断結果を迅速にベッドサイドに還元することで、薬物療法などの治療法想起のための情報を提供し、治療可能な遺伝性疾患をもつ新生児の後遺症なき生存率の改善と、新生児個別化医療の実現を目指します。
期待される効果
診断率の向上
網羅的遺伝子解析により、数千の稀な疾患について迅速な診断が可能となります。Gバンド検査の診断率は3~4%、マイクロアレイの診断率は10~20%とされますが、次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析診断率は40~50%と報告されています。
迅速な治療
疾患の遺伝学的原因を迅速に特定することで早期の介入や不必要な検査や治療を回避することができる可能性があります。 国内外の研究で、網羅的遺伝子診断が診療に有用であることが報告されています。
重症新生児の予後改善
遺伝学的診断により、原因に基づく治療を早期に開始できる可能性があります。

